日銀券 2013 1 1

 眼下に広がるのは、
どこまでも平坦な乾いた大地と、
まばらに散らばる一面の木々。
 上空からだと、
まるで苔のようにしか見えない、
あの深い緑色の斑点も、地上からなら、
きっと、はるかに見上げるほどの大木に違いない。
 ついに、南アフリカにまでやってきたのだ。
そんなふうに思ったとたん、
急に、おかしくなってきた。
 61歳の、この歳になって、
初めて目にするアフリカの風景が、
こんなに懐かしく感じられるのは、なぜだろう。
書名 日銀券(文庫版)
著者 幸田 真音  新潮社

 最近、ニュースによく出てくる、
日銀(日本銀行)を知りたいと思ったら、
経済学者である岩田規久男氏の著作を薦めます。
「日本銀行は信用できるか」(講談社現代新書)
 しかし、そのような専門書は読みたくないと思った人には、
「日銀券(文庫版)」がよいと思います。
 小説を読みながら、金融政策を学ぶことができるかもしれません。
未来の審議委員になるであろう人に、
いや、若者にこそ読んでもらいたいと思います。
 日銀の最高意思決定機関である政策委員会は、
総裁と2人の副総裁、それに6人の審議委員で構成されます。
 さて、小説でも専門用語が出てくるので、
読みたくないと思った人へ。
 これは、恋愛小説でもあるのです。
「老いらくの恋」(December love)を書き綴ったのです。
 たとえ、「December love」と言われても、
恋は、これほど人を活気づけるものなのか。
枯れた木々が甦るように。
 「彼女を最初に見かけたのは、
ヴィクトリア瀑布を望む遊歩道だった。
 その出会いが、まさか、あんなふうにまで発展するとは、
もちろん、思いもしなかった」
(使用上の注意について)
 たとえ、「老いらくの恋」が、
枯れ果てた肉体と精神を活気づける特効薬だとしても、
それは、小説の中だけにしておくべきです。
 アメリカでは、将来の大統領候補と言われた高官が、
「老いらくの恋」で、その地位を失ったのです。
そういうニュースが、国際ニュースとして流れました。
 年老いてから恋するのは、自分の妻だけにすべきだと思います。
男ならば、妻に二度恋する度量があってもいいはずです。
















































































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